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内閣改造 財政再建の道筋示せるか 大型補正求める声/高まる国債増発圧力

8/4(金) 7:55配信

産経新聞

 3日発足した第3次安倍晋三第3次改造内閣は、引き続き経済最優先を前面に押し出す。足元では大型補正予算を求める声が相次ぎ、高齢化で社会保障費も増えるなど歳出圧力は強い。財政は逼迫(ひっぱく)するが、消費税再増税延期の観測も出始めた。成長を維持しつつ、財政再建に取り組む姿勢が問われる。

 新内閣では、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を推進してきた麻生太郎財務相らが留任。重要ポストにも閣僚経験者を配し「経済再生を最優先に政権の政策を前に進める」(菅義偉官房長官)考えだ。

 足元では、支持率低下を背景に、政府・与党内で大型補正予算を求める意見が浮上。麻生氏は3日の記者会見で「有効な需要を作るため財政(支出)を使わないといけない」と財政出動の必要性をにじませた。

 安倍政権は幼児教育と保育の無償化を打ち出したが、財源捻出はこれから。企業と働く人が保険料を負担する「こども保険」で賄う案などが浮上するが、経済界には反発が根強い。

 与党内には大学など高等教育の無償化を求める声もあり、借金にあたる国債増発圧力は高まっている。

 高齢化で医療や介護など社会保障費も増加が続く。平成30年度予算編成では、社会保障費の自然増を1300億円抑制する必要がある。医療機関に支払われる診療報酬などの改定も予定されるが、業界団体や与党の抵抗が予想される。

 一方で、安倍政権が取り組んできた成長頼みの税収増は息切れしつつある。28年度の税収総額は前年度比1・5%減の55兆4686億円で、21年度以来7年ぶりに前年を下回った。

 政府は主に税収で政策経費を賄えるかを示す基礎的財政収支を32年度に黒字化する財政健全化目標を掲げるが、試算では32年度に約8・2兆円の赤字が残る。目標達成は難しく、あらためて説得力のある健全化目標を示す必要がある。

 31年10月には消費税率10%への引き上げも予定される。麻生氏は「30年度の予算編成をきちっとやって、消費税を増税できる環境につなげたい」と強調する。ただ、過度な緊縮財政で景気が腰折れすれば増税も難しくなる。北朝鮮情勢の緊迫化などに対応する防衛予算などは不可欠だ。新内閣には、成長や安全に資する分野に重点投資しつつ、財政再建に道筋を付けることが求められる。(中村智隆)




元の記事はこちら==>https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170804-00000073-san-bus_all

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